インドボード

INDO BOARDと禅のバランス

by マイク・ワラス

春や夏がやってくると、サーファーにとっては休みが増えるのに、母なる海は何ともけちくさくなり、品質の高い波を見つけるのは難しくなるのだ。
その結果、無意識のうちに無関心に陥る過ちを犯してしまい、退屈、陰鬱、意気消沈といった連鎖反応を引き起こすことにもなる。生存能力が膨らんで安堵している間、アドレナリンが急激に沈下して現実に直面するとき、それこそ地上でのトレーニングプログラムが、サーフィンができないイライラを埋める架け橋となってくれることであろう。

体型や健康を維持し、サーフィンをしていない時に何か動機付けをするのに唯一の解決策はないが、訓練されたアスリートたちにとってスイミング、マウンテンバイク、ランニングは刺激となってくれる。
しかし、多くのサーファーにとっては、これらの直線上の動きはバラエティに欠き、インパクト・ゾーンをうろつき、ダイナミックな波に飛び込み、ラインに沿って加速し、無防備なリップに突入するなどという、多次元での進んでは止まるといった動きを真似るには取るに足りない。

サーフィンに魅せられる力やそれに完全に没頭することは、サーファーを他のスポーツから遠ざけてしまう。
たいていのサーファーはジムにせっせと通ったりはしないのだ。
サーファーにとっての人生は、バランスを見つけることが鍵となり、それは多くのフィットネスの体系に欠けている要素なのである。
フロリダで自分自身をただ単に磨き上げていくことに没頭し、30年以上もの間、フルタイムの十字軍のようにバランスをとることに懸けてきたひとりのサーファーがいる。 友達や同僚には、「バランス先生」「バランス囁き屋」「Indoマン」として知られているハンター・ジョスリンが、1998年にバランストレーナーから「Indo Board」を開発し、室内コアフィットネス製品を充実させた、その人である。
バランストレーニング インドボード開発者 ハンター

陸上でのサーフィン

遡ること1966年、ハンターはバランスボードを使うことによって、基本的にはサーフィンを独学で学んだ。
「僕は競泳選手だったんだけど、そんなに頻繁には海に出られなかったんだ。それで、日々バランスボードに乗ることによって家で練習したんだ。そのボードのおかげでクロスステップをマスターし、友達の誰よりもサーフィンが上手になったよ。今は僕も56歳になり、ビジネスもしているから、海に入れる時間を見つけるっていうのは、なかなか難しいよね。でも、Indo Boardは僕がどんなにサーフィンから遠ざかっていようとも、いつでもサーフィンができる体制をキープしてくれているよ。そういう意味ではIndo Boardはスムーズなフットワークを生み出してくれる本当に貴重なものだよ。特にクロスステップにおいてはね。」

初期のバランストレーナーは、重いプラスチックチューブの上に、黒い滑り止めをつけた小さな合板を乗せただけのものであった。ハンターは、若い頃競泳の選手であった経験を生かし、彼のコーチが使っていた初期のトレーニングの型に変化やバランス、強度を加え改良した。
60年代から、熱心なサーファーやスケートボーダーが出てきたため、ローラーの上に楕円のスキムボードを置くだけのシンプルな道具を、アスリート達の体の大きさ、技術レベル、使用目的に応じて、22項目以上を付け加えて改良し、仕立て上げたのだ。

バランストレーニングギア インドボード

Indo Boardの種類には「オリジナル」「ミニオリジナル」「プロデッキ」「ミニキックテール」
「ミニキックテールプロ」があり、初心者やロングボーダーのための大きめのボードから、スケーターやウェイクボーダーが完璧なトリックバッグを目的とした小さめのボードまで揃っている。
「インド・フロー・クッション」もスタンドアップ・パドラーやそれ以外の人向けに、技術を向上させるため、空気を入れて膨らませる直径14インチのクッションをボードの下に置き、昔の左右方向だけの揺れを楽しむのではなく、360度不安定な状況をシミュレーションできるよう設計されている。

バランストレーニング インドボード

IndoFloとともに

ハンターによると、インドフローのシステムを用いることで、コアバランスの技術にターゲットを絞って行うため、地面の上での立って行うサーフィンに最も近い疑似体験ができるとのことである。
彼は、ボードやクッションの上でバランスを保つ際には、パドルやほうきの柄を持ってやることも勧めている。かなりの上級者に至っては、ボードが床に触れないように、クッションを小さな台の上に置いてやるのがいい。
そして、「C4ウォーターマン・グループ」と呼ばれる世界中の最も尊敬されるべき海の男たちの間では、陸地でのトレーニングに積極的にIndo Boardを取り入れている。立って行うしきたりと機器の発展、洗練に貢献したのは、ハワイのブライアン・ケアウラナ、トッド・ブラッドレー、そして尊敬すべきシェイパーでジャーナリストのデイヴ・パーメンターと共にC4を結成したマイク・フォックスである。彼らは海の男たちの伝統を、地上トレーニングを広めていくために、現代の高性能機器へと取り入れることを目的としている。(詳細は、www.sufline.com へ)

ジョスリン氏はC4チームの練習を見て、あたかも彼らはより小さな機器に乗っているかのように波に面してボードのどちらかにパドルをフェザリングして方向を変える彼らの技術に驚嘆した。ご覧いただきたいのなら、YouTube video で2007年4月にノースショアのヴァルズリーフで行われたC4ウォーターマンをチェックしてみればよい。レアド・ハミルトンとダリック・ドーナーはIndoトレーナーとしてカウアイの伝説 Titus Nihi Kinimaka(www.hawaiianschoolofsurfing.com を参照)として、XXLサーフの不安定なボードに乗り、開拓者として働いている。



Indoセラピー

私の陸地で囲まれたサーフィンのためにと、クリスマスに帰ってくる私の義理の弟がIndo Boardのクラッシックバージョンを私に贈ってくれたので、それ以来、私は日常の生活の中に取り入れた。
サーフィンをしてから、私は右膝の半月板を損傷していたので、膝周りの筋肉を鍛えることを最優先とした。ただボードを前後に動かすだけでなく、ノーズに乗る等々。また、ラインに沿ってポンピングの真似をするようバランスを取りながらスクワットをし、ツイストを加えたりした。そしてしっかり筋肉を整えることができた。(ちょうど、スタイル点のためにハンドジャイブを加えるようなものだ。)
同じように、Indoの上で行う腕立ては、ボード上で立ち上がるときのテクニックを模倣することができる。手をローラーの両サイドに置いて、自分の足を押し上げるか、それらを垂直に置くようなつもりでボードの端をしっかり握るだけで、身体の燃焼を感じられる。これは道具の多機能性の表面をほんの少し削ったに過ぎない。

実際、チューブそのものは、サーフィン後の痛んで曲がった背中にアイロンをかけるための大きな回転ピンのように使うことができる。
チューブを背骨の下に置き、息を吐きながらゆっくりと首の方へ、またお尻の方へと転がしてみる。脊椎骨から感謝されること請け合い。緊張をほぐすことが私の毎日の日課となり、水の中に入る前にコンピュータデスクに鎖で縛りつけられてあたかも死後硬直していた自分の体を楽にしてあげるようにした。これを通常のストレッチにも取り入れた。これはサーフィンの後で、サーファーの体の中でも過度に凝る広背筋や三頭筋をほぐすのに有効に役立つ。年配のアスリートにとっては、良い姿勢を保ち、身体を効率よく動かすことはスポーツを永く続けていく上で、非常に重要である。特に我々のような、増加し続けるデスクワーク社会においては。

ある年、ハンター・ジョスリンはロンドンのヒースロー空港で27kgもの荷物を引きずっていて、体の半身がすっかりしびれてしまった。
そして、その後に発見したのだ。
バランスのビジネスをしていく上で、IndoFlowクッションとバランスボードを組み合わせて彼の机に置くというのが、それである。
しかし、そうすることによって調節可能な机を注文しなければならなかった。浮揚するスイッチ、携帯電話の確保、仕事の背骨とも言えるディスクを硬いものではなくしなやかなものに…と。ジョスリンは仕事の中で、ペーパーワークをしているときでさえも背もたれのない椅子に座り、彼の脊椎を柔軟に保ってくれるようにバランスを取りながら仕事をすることを誓った。
滑稽ではあるが、でも確実に有効的ではある。この様子は彼のウェブサイトで動画で見ることができる。
www.indoboard.com

バランストレーニング インドボードはサーフィンのトレーニングに最適。

Outdo技術

時間を考えたとき、サーファーは実際に波に乗って自由で楽しい時間と比べ、水の中でパドリングをしているか、またはただ、波を待っているのに時間を費やしてしまっている。
正直なところ、Indo Boardの通常の使用でバランスを向上させたり、健康維持に役立つ効果に加え、サーフィンの技術をも向上させてくれる。より正確なフットワーク、ダイナミックで定位置での構え、お尻を引っ込めて上体をリラックスさせるといったことも全て訓練し、学ぶことができる。
自分のお気に入りのプロサーファーを頭の中に描きながら訓練すれば、彼らの卓越した独特なスタイルさえも習得できるかもしれない。

ショートボーダーたちは、サーフィンに必要な特定の筋肉を強化し、飛び跳ねて構えを変えながらチューブの波の中を屈み込んでいく真似をすることができる。ごく僅かな足の位置の切り替えでも、スピードに対し素早く、エアリアルの前に構えを広くとる。
Indo Boardの商品に付属のトレーニングビデオの中にも、ローラーの上でボードを裏返したり、「フィフティ=フィフティ」をしたり、「世界旅行」などの操作やテクニックの貴重なヒントが含まれている。
一方、「ハンギング10」「チーター5」「クロスステップ」等は、明らかにロングボーダーにとって価値がある。
水の中でボードに乗る前に、ぜひ地上でこれらの難しい動きを練習してみてはいかがなものか。
バランストレーニング インドボードで地上のサーフトレーニング。


地上のトレーニング

自分でトレーニングを積んでいる人は、Indoでやるのと同様、ボードの上で行っているが、それは次のレベルへ進むのにどれだけ地上での訓練に努力を注ぎ込むかによって成果が決まってくる。
もし、地上トレーニングに時間を費やそうと思うのなら、サーフィンに特定したトレーニングを積むべきである。ポンピングをしたりボード上でバランスをとりながらカールやプレスをし、体を準備しながらインパクトゾーンをイメージして波の表面で均衡をとる等。
ビデオではIndoのライダーが互いに向き合い、バランスを取りながら小さいボールをトスし合っている。片方のライダーがもう一方のライダーの目の前に波の落ちる場所を示すことができる。
最良のサーフィンは、反応がよく、本能的で、バランスを整えている間も次に何が起きるかを予期しながら練習が正確に行えるようになることである。

バランストレーニング インドボードでの様々なトレーニング

昨年、現在のASPワールドチャンピオンのミック・ファニングが、身体の内側を鍛えるコアフィットネスがサーフィンの結果の一貫性とパフォーマンスに違いを生むということを証明した。
怪我のリハビリの一部としてたびたび発見されたことであるが、心臓の働き、スピード、強さとのコンビネーションによるバランストレーニングは、真にサーフィンの技術を向上させたいと願っている人にとって卓越した意味をなす。
ミックのように、複数のボードで1日に3回はサーフィンをし、ジムに通いバランストレーニングをすることは、我々のような労働者にとって、選択肢にはないのだ。
私たちは「チャンピオンのようなトレーニング」をする時間がない(サーファーマガジン2008年5月号)ので、私たちはIndo Boardのようなより安定した台の上で、体制に味わいを加えることができるだろう。
ただ、一つの欠点とすれば、滑り止めのないデッキのグリップに大胆にも足を乗せた時に、落下の危険性がある。そこで「注意:自分自身で危険性を考えてお使い下さい」とボードにも書いてあるではないか。カーペットの上で、家具から離れて行えばケガから身を守れるであろう。

君主ロブ・マチャドが言うには、彼のトレーニングはIndo Boardの上で目を閉じて立つのを練習の最後に行うことであるということだ。
この練習を始めたばかりの頃はほんの10秒から20秒くらいしか続かなかったのだが、2ヶ月後には、3分以上ポジションをキープしていられるようになった。これは海水の中でのチューブタイムに匹敵する。
C.J.ホグッド、シーア・ロペス、サニー・ガルシアらも皆、ここ数年にわたってIndo Boardを深刻な膝のリハビリに使用していたという。

バランストレーニング インドボードを使用して運動

オリンピック選手の理想

ハンター・ジョスリンは、数々のオリンピック競技センターに、トレーニング機器を提供し、背泳ぎの金メダリストで、競泳世界チャンピオンのアーロン・ペアソルと親交を深めてきた。
元々はカリフォルニア州ニューポートビーチの出身であるが、ワールドクラスの競泳選手というだけではなく、より重要なことに彼はサーファーなのである。ハンター自身も競泳サーファーということで、才能あるアスリートとつながりを持って、Indo Boardをペアソルのトレーニング機器として推奨した。ペアソルは、Indo Boardがキックターンをより爆発的にし、何百という選手の中で銀メダルや銅メダルを取る選手から金メダルを取る選手を大きく分け隔てるのだと言っている。

常連のアスリートたちが熱中するエリートなクロスフィットトレーニングでさえ、Indo Boardを取り入れている。
様々な名前がついているこの超集中コンバットスタイルトレーニングプログラムであるが、身体の強さと調節によって、あらゆるレベル参加者が徹底的に挑戦し、決まりきった動きを避けるというのが核となっている。
もし、Indo Boardの上での逆腕立て伏せやクリーン&ジャークをやってみたいようなら、このビデオをご覧あれ。(ここに登場している人々は、明らかに時間に余裕があって、おそらく子供もいない人たちであると思われるが。)

バランストレーニング インドボードを利用した運動方法

Wiindo未来へ

エレクトロニクスやゲーム産業がバランスの流行を取り上げるようになり、任天堂は人気ゲーム機種のWiiにフィットネスとバランスボードトレーナーを取り入れて、プレーヤーを楽しませると同時に体を動かすようにデザインしている。

確かに画面上でフラフープやスノーボード、サッカーボールが見えるので、この手のものが好きな人にはいいだろう。
これらのエクササイズは、YouTubeにデモンストレーションビデオ等の新しいジャンルを生み、それによってネット上のサーフィン技術は向上させてくれるかもしれないが、信頼性には欠ける。

陸に閉じ込められたうんちくだけを言う不健康な者たちにとっては、Wiiは理想的な機器かもしれないが、もっとまじめなアスリートやサーファーにとっては、平らなバランスパッドは風呂場の体重計と似ていて十分な効果を得られるものとは到底思えない。
それを踏まえてか、任天堂はおそらく「バランス先生ジョスリン」に次世代のWiiシリーズの「ケリー・スレイター・プロサーファーバージョン」なるものの開発援助を依頼するのであろう。
インドー・フロー・クッションかローラーの上にWiiのボードがあって、世界の最高の波に乗るシミュレーション…などという図を想像できるだろうか。Indoのファンならできるかもしれないし、すでにIndo Boardの上でバランスを取りながらビデオゲームをしているなんて人もいるかもしれないが。

そのときが来るまで、コアフィットネス、瞬発力、柔軟性、そしてサーフィンにおいて見落とされがちな最も重要な要素であるバランスといった、サーフィン特有のエクササイズは地面の上でやるべきではなかろうか。

2008年9月13日