阿弥陀岳へ向かう登山道から外れてジョーゴ沢を登ります。
ここでもまだTWISTを使用してアプローチしました。沢沿いに入っていくので、積雪量が増えます。
ここはやはり雪用バスケット(PB-F2)があった方が快適です。
そして残念なのは、石突き長が足りない感覚がありましたが、ここでも安定した登りが出来ました。
トレッキングポールの有効性は、第1回にも記載しましたが、重荷・長距離・下山時が有効だと考えています。
TWISTはフォールディングモデル(折畳式)なので、畳むと36㎝(フォールダーTWIST110)と短くなので、ザックにもすっぽり入ります。
これはアルパインクライミング時にとても有効です。
ザックの外付けだとロープが絡まったりするリスクやポールを落下させてしまう事を防ぐことが出来ます。
重量も214g(本)なので、さほど気になりません。
F1前で登攀具を装備しました。
F1もF2もフリーで抜けて(傾斜緩く着雪していたので問題ありません)、ゴルジュのナメ滝をこえると乙女の滝です。
乙女の滝を過ぎて左手方向にいけばナイアガラの滝ですが、
コールが聴こえたので、大滝方面へと抜けます。大滝手前の安定した場所でザックを下ろしました。
そしてザックの中から取り出したのはなんと!
えぇっ、なんでアイロン???と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、今回はトレッキングポール・フォールダーTWISTの検証です!
重荷として、山ではなんの役にも立たない???アイロンを約3時間半のアプローチを担ぎ上げてきました!
そして世の中には、エクストリーム・アイロニング(Extreme Ironing)なるスポーツがあるので挑戦してみました!!!
岳友で「小川山レイバックギター初登」という記録をつくった友人がいましたが、彼の気持ちがわかったような気がします。
この非日常感や一見なんの意味もなさないエキセントリックな行為(スポーツ)は、とても「自由」を感じました。
さて、TWIST検証に戻って、雪山での操作性の確認です。
ザックからTWISTをだして、雪面に暫く放置し、また折りたたんでみましたが、問題なく可動!
大滝をこえて、稜線までトップアウトするようなアルパインクライミングには、フォールダーTWISTというモデルは最適かと感じました。
(今回は撮影・検証という時間的制約があったのでトップアウトしていません)
赤岳鉱泉まで登攀装備で戻り、フォールダーTWIST使って赤岳鉱泉から美濃戸口まで戻ります。
足まわりは各人の感覚に合わせて、アイゼンあり・無しで良いかと思いますが、
私はいつも樹林帯・林道ではアイゼン無しで降りているので、フォールダーTWISTのみで下山しました。
普段はピッケルをもって下山しますが、長さ調整が出来るトレッキングポールだと汎用性があがるので、
下山時も転倒なく、山をおりることができ、無事に家族のもとへ帰る事が出来ました。
今回の検証として、乾雪の場合が多い八ヶ岳エリアでは、
フォールダーTWIST・トレッキングポールは非常に便利で有効だったと考察します。
※山行日 2020年2月9日(日)
※使用感はあくまでも、個人の感想となります。
シナノデザイナー・タケウチ
槍ヶ岳中崎尾根厳冬期単独登頂、イムジャツェ (アイランドピーク)6189m登頂、デナリ(マッキンリー)6190m登頂。山道具に関しては、数々の成功・失敗体験から、立場をこえてポジティブなこと・ネガティブなこともしっかり伝えるのが信条。公益社団法人日本山岳協会 山岳上級指導員。